【三浦アルプス】パン&ビールの名店をめざすハイキング|ジモト民おススメのマニアックルート【逗子〜葉山】

逗子・葉山一帯は海のイメージが強いですが、トレッキングを楽しむ人たちには標高200m前後の低山が連なる「三浦アルプス」が有名です。
今回は三浦アルプスの一つ「仙元山(せんげんやま)」をゴールとした、ちょっとマニアックな地元民おすすめのルートをご紹介します。

<今回のルート> 逗子と葉山を跨いで歩き、約4時間(6Km程度)
京急「逗子・葉山駅」→長柄桜山古墳群→earth7716factory(パン屋)→ソッカ山→仙元山→葉山堀内→Brewstars Yacht Club(ブリューパブ)


いにしえの歴史を感じる地へ

スタート地点は京急線「逗子・葉山駅」南口。

葉山方面に向かい、田越川(たごえがわ)を渡って右に曲がり少し歩くと——

逗子警察署桜山駐在所があります。

その奥に進み、大きな欅の木のふもとに佇んでいるのが「六代御前の墓」(地図1)です。

「六代」とは平家一門の「平高清(たいらのたかきよ)」のこと。彼は平清盛から数えて6代目だったので、「六代」という童名がついたとか。
彼は1199年、この田越川のほとりで処刑されたといわれています。

六代御前について詳しくはこちらをどうぞ。
https://www.kanagawa-kankou.or.jp/features/kamakuradono-column409756(神奈川県公式観光サイト「観光かながわNOW」)


〝古墳〟から眺める海の絶景!

六代御前の墓碑から、次にめざすは長柄(ながえ)桜山古墳群(地図2)。
実は逗子・葉山には古墳があったんです。しかも現存する神奈川県内最大の前方後円墳群なのだとか。

さぁ向かいましょう!
急な坂をいくつか超え、方向板に従って歩き——

温かみのあるマップを見つつ——

もうちょっと歩くとたどり着いたのは第2号墳。

「え、ここが?」と思ってしまいますが、正真正銘の古墳なのです。

全長約88m、後円部径は約50mとなかなかの大きさ。
あっちに行ってもこっちに行っても古墳の上。なかなか稀有な体験です。
この日は雲がかかっていましたが、晴れていれば江の島や富士山も見られる絶景が広がります!


史跡と雄大な景色を独り占め!?

第2号墳を降り、方向板に沿って山道を歩いて第1号墳に向かいます。

第1号墳は古墳発見から25年を経て、2024年に整備されたばかり。

古墳に関する詳しい説明板が設置されています。

ちょっとした花道のような坂を上ると——

こちらも絶景が待っていました!

古墳の上には円筒のような埴輪(はにわ)のレプリカが。

この日は土曜日でしたが古墳にいたのは私たちだけ。
史跡と雄大な景色を独り占めできるまさに穴場! 知る人ぞ知る地元民おすすめの場所です。


第1の目的地は地元で人気のパン屋さん!

さて、仙元山(せんげんやま)へ向かいながら途中ちょっと寄り道。
古墳群を降りて住宅地<葉桜(はざくら)団地>を通り抜けます。
目的地をパン屋さんに合わせ、googleマップを使いながら向かいました。

御霊(ごりょう)神社を過ぎ——

葉山方面へ25分ほどてくてく歩いていきます。

そして——
たどり着いたのは「earth7716factory(アースなないろファクトリー:https://earth7716factory.net/)(地図3)さん。

私の大好きなパン屋さんです。
自家製天然酵母を使った数種類のカンパーニュ、食パン、シナモンロール、フォカッチャなどが店頭に並びます。曜日によってドーナツや総菜パンも販売されることも。観光客の方がよく訪れる海側の葉山ではなく山側の葉山の奥の方にあるので、地元民にとても人気です。
訪れたのはまだお昼過ぎでしたが、パンはほぼ売り切れ状態でした。
個人的にはプレッツェルと角食パンが好き。ライ麦を使ったパンも香ばしくてオススメで、どのパンも酵母の甘みがじんわりと効いていて、嚙めば嚙むほどおいしい滋味深いパンばかりです。

earth7716factory(アースなないろファクトリー)>
●住所
三浦郡葉山町長柄1032-3
●電話
046-854-7472
●営業時間:水・木・金 11:00~16:00 土8:00~16:00
●定休日:日・月・火
●駐車場:8台
●Instagram https://www.instagram.com/earth_7716/


パン屋さんの近く「大山(おおやま)ハイキングコース」の入り口からいよいよ山に入ります。
道迷い防止のため、葉山町消防署による標識がルート上に設置されています。

ずんずんずんずんと15分ほど上って、ソッカ山頂(標高189m)(地図4)にまずは到着。

山頂からは伊豆大島が望めます。
景色をおともにランチを楽しんでいる方も。いいですね〜。

ここからはほぼ下り。
道中ながーい階段(逆に仙元山側から来ると長い上りになるので結構しんどいです)を経て——

ソッカ山頂から約30分で仙元山山頂(標高:118m)(地図5)にやってきました。

天気が良ければ江の島と富士山の絶景コンビが見えます。
右の方には丹沢エリアがあります。

麓から20分ほどで登れ、この山を経由するコースもいろいろあるので、地元民やトレイルランナーに愛されています。


激サカを上るか?下るか?

さて、下山しましょう。
今回は葉山教会を通って下ります。海を横目に見ながら下れるのも、仙元山ならでは。

階段状の道を歩き、樹林帯の中を通って——

10分ほど歩くと葉山教会(地図6)に着きました。

この葉山教会へと上る坂はとても急な坂で、実はサイクリストの聖地とされているほど。
今回は下りなので楽ですが、上りは歩きでも息が切れます。


個性派ビールで至福のゴール!

ハイキングとしては仙元山がゴールですが、個人的ゴールはここから横須賀方面に足を伸ばしたあるお店。
急坂を下りて国道134号線方面へ戻り、トンネルを通過。
葉山小学校方面に歩き、10分ほどで辿り着いたのはブリューパブ「Brewstars Yacht Club」(https://brewstars.co.jp/)。

こちらのビールが大好きで、日頃のジョギングのゴールもこちらに設定するほど。
もちろん今回もゴールビールを楽しみにしていました!

1階はビールのテイクアウトができ、2階では食事もいただけます。
小麦ビール、フルーツビール、ドイツビール、IPA(ホップの香りが強く、アルコール度数が高いイギリス発祥のビール)など7~8種類ほどが常時用意されており、タップから注ぎたての一杯が飲めます。

汗をかきかきたどり着いて飲む一口目は、吸い込まれていくように体に染みわたります!
定番のGuavaIPAは間違いない美味しさで、これからの季節にはぴったりのビールです。
先ほどの「earth7716factory」さんのパンが原料になっているビール(発酵不良で販売できなかったパンをアップサイクルしている!)や、葉山でとれた夏みかんのビールなども時期によっては飲めることも。

最近では好きなビールをその場で500ml缶に詰めてテイクアウトできるようになったのも嬉しいポイントです。

Brewstars Yacht Club
●住所
三浦郡葉山町堀内2038-10
●電話
046-854-9846
●営業時間:
木 13:00~18:00(1階テイクアウトのみ)/ 金 17:00~21:00 / 土・日 12:00~21:00
●定休日:月・火・水
●Instagram https://www.instagram.com/brewstars_yacht_club


こちらでとりあえずゴール。
ここからは、JR逗子駅・京急逗子葉山駅へぶらぶらと歩いて帰るもよし(徒歩約40分~50分)。
または「Brewstars Yacht Club」さんの前にある京急バス・葉山小学校バス停からゆったりとバスで各駅に向かってもよしです。
これからの気持ちよい季節、逗子・葉山でローカルなハイキングをしてみませんか?


おまけ

余談ですが、私の登山時の愛用道具はこちらのサコッシュ。
貴重品、薬、行動食(飴・チョコ・ゼリー飲料など)、スマートフォン、小さめの水筒などが小分けできてすぐ取り出せるので、山に登るときは毎回使っています。
後ろに映っている水筒も愛してやまない一品。
熱湯OKな耐熱性と、岩に落としても割れない強度があり、普段使いもしています。


<参考サイト>

YAMAP 三浦アルプス・二子山・仙元山
山の事故を防ごう!登山を楽しむために知っておきたい安全対策(政府広報オンライン)
※実際にお出かけの際は、地図等でルートを確認し、現地の気象状況も踏まえて適切な行動をお願いいたします。

この記事を書いた人

Mioko Hanano

大阪出身。今年8月、日本百名山をやっと登り切りました。好きなものは海山と温浴施設とパンです。

葉山
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