暑さコリゴリ「かき氷」で満腹! 葉山・逗子の老舗3選【やっぱりシャキシャキ】

夏のかき氷といえば夏祭りの屋台を懐かしむ人も多いと思います。
最近の主流はフワフワかき氷かもしれませんが、あえて、シャキシャキで長年地域の皆さんに愛されているかき氷を3つご紹介します。


〝発掘〟が楽しい!老舗お茶屋さんの「静7132金時ミルク」

最初は、逗子と葉山の境目あたりにある日本茶専門店「日の出園」

こちら現在の2代目店主が生まれた年に創業したそうで約50年
お茶屋さんですが、創業当初からかき氷を提供しているそうです。

「宇治金時」か「ほうじ茶ミルク」か葉山特産のショウガを使った「葉山しょうが金時ミルク」か迷っていると、店主の母がお勧めは「静7132金時ミルク」だと言う。

初めて見聞きする「静7132」に「?」な顔をすると、静岡・安倍川の上流の優良産地で栽培した一番摘み煎茶の名前だと教えてくれました。桜の葉に含まれる香り成分「クマリン」が茶葉に含まれているので、柔らかな桜の香りがする、他にないかき氷だと推し!
なので、そちらを注文し、山の緑に癒される窓際の席に。

お茶のパッケージは「静7132」です

天気の悪い夕方を狙ってきたのに、次々にお客さんが入れ替わります。小学校高学年と思える男子が2人で来て、慣れた感じで注文していました。

待つこと15分以上。運ばれてきた「静7132金時ミルク」はこんもりしたフォームで、きれいな濃い緑色で包まれ、頂上にひらりと桜花漬け。

確かに桜餅のような香りとお味がする! 
中に手作りのアズキ(金時)とバニラアイスが閉じ込められていることを知っているので、それらを掘り当てるように、山を崩さないよう慎重にひとさじずつ氷を食べていきます。一人ですが、つい「ひゃっ」とか「おっ」とか「あーあ」とか声が出てしまいます。
どうにか断面の写真が撮れるほどに食べ進みました。

甘すぎない金時とバニラアイスで、飽きることがありません。練乳が添えてありましたが、必要ありませんでした。
時々、温かなお茶で一息つきます。食べ終えて、「かき氷でこんなにお腹いっぱいを感じるのね~」と満足満腹でした。

メニューはコチラ。

▼日の出園
10:00~19:00(喫茶は11:00~18:00, L.O.17:00)水曜定休/8月12日〜15日夏休み
葉山町長柄1413-212


今年ついに復活! 大正レトロの手づくりかき氷〝エコ〟って?

2店舗目は、大正時代から続くかき氷です。
森戸海岸まで徒歩1分の創作イタリアンレストラン「菊水亭」です。

ここのかき氷は、名前もフォルムも作り方も大正時代から変わらないそうですが、その発想は謎。
まず名前は、「エコ」「モコ」「レモコ」「タロマン」「ジロマン」などと言います!?
店に残る一番古いメニューと、ひと昔前のメニューがこれです。

菊水亭は、1910(明治43)年、浜茶屋として開業。夏だけ営業していました。
2代目になり、かき氷が登場。外まで行列ができるほどだったそうです。かき氷専門スタッフが4~5人いたとか!
そうなんです。このかき氷、手間暇かかるのです。そのため今は、コロナ禍の時に中断してそのまま提供していませんでした。
ですが、今年、復活! 
理由はこの店オリジナルの甚句です。

2年前の夏、森戸大明神例大祭。店前で真名瀬神輿会(みこしかい)が店オリジナルの甚句を新たに作り、披露してくれたのです。詠まれたのでは作らねばならない、と決心したそうです。
そんなお話を聞いたあとで、いよいよ注文。
カタカナ名は「エコ」から始まったという説が有力なイチゴミルク「エコ」にしました。

一人では決して動かせない重厚なかき氷機にまず氷をセット。

下にはお皿ではなく、ボールを置いて、氷を受け止めます。

かいた氷を泡だて器でシャカシャカと撹拌(かくはん)します。

ガラスコップに詰め、最後はディッシャーを使います。
そして完成した「エコ」。

これは食べやすい!! 
慌てて食べる必要もないし、最後までシャキシャキと、変わらない味わい

現在、シェフが一人で切り盛りしているので、種類を減らし、お待たせすることもあるとエクスキューズしています。それでも懐かしい味を求めて食べにくるお客さんがいるそうです。

▼菊水亭
月曜~水曜:11時30分~15時 / 17時~24時、金曜:16時~24時、土曜・日曜・祝日:12時~15時 / 17時~24時。ディナーラストオーダーは22時。木曜定休。
かき氷の提供は9月末までを予定。暑さによりかな、とのこと。


79年目の夏! 定番・逗子海岸海の家の「抹茶あずき」

最後に夏と言えば、海の家でしょ!ということで
逗子の老舗海の家「浜美屋」をご紹介。

と、その前に・・・今年、逗子海岸の新しい環境啓発オブジェを。

このオブジェは海岸中央入り口にありまして、こちらを右に、鎌倉方面に歩いてください。
やっぱり夕暮れがおすすめです。

今年で開業79年目
ファミリー連れでも安心して入れる海の家です。

ここでは、イチゴとかメロンとか食べようと思ったのですが、「やっぱり抹茶あずきでしょ」と自信をもって勧められたので、そちらに。

波の音、風の音、はしゃぐ若い子たちの声などを聞きながら夕暮れを楽しみました。

▼海の家「浜美屋」
11時~19時。8月31日まで。

この記事を書いた人

Makoto

Writer Makoto
放送作家出身。現在は地域メディア編集長兼ライター。町も人も歴史を大切に、自分史活用推進協議会認定アドバイザーとして自分史作成も手がける。夢の1つはドラムを習うこと。

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